原薬メーカーのGMP管理(2004年改訂版)
文責 ヨネヤマ(momorin_369@hotmail.com)
2003/12/23
| いつも僕のサイトをご覧頂いているヨネヤマさんから、「原薬メーカーにおけるGMPの問題」を投稿して頂いており、読者の皆様から絶大なる評価を受けてきたところです。 この度は、平成17年4月施行の薬事法大改正を踏まえて、大幅な改訂版をご投稿頂きました。 以下は、原文のままです。(読みやすくするために改行、文字の色づけ、スペースを追加しました) 現場の意見がわかる貴重な情報をいつも、いつもありがとうございます。 この場を借りて、厚く御礼申し上げます。 ホーライ |
| 【今回改訂のポイント】 洗浄バリデーション、出荷許可、逸脱処理、変更管理などの項を追加し、その他全般的に見直しました。 原薬メーカーのGMP管理(2004年改訂版) 医薬品GMP規制強化の時流の中で、原薬メーカーへのGMP管理要求は強まる一方である。 狂牛病問題からの生物由来原料、遺伝子組替え生物、無許可添加物の使用の有無の確認等の問合せも殺到している。 こうした中にあって、原薬メーカーが早急に対応していかねばならない問題点は多々ある。 原薬メーカーのGMP管理の現状を把握し、問題点を明らかにして、改善を進めていけるよう、これまで製造現場のGMP管理者として少なからず薬事管理に携わってきた経験とその間に蓄積した知識を元に、また最近の薬事業界をめぐる動向を踏まえて、内容を見直した。 【医薬品製造規制をめぐる社会的情勢】 医薬品製造に関しては、国際的にGMP(Good Manufacturing Practice)管理が要求されているが、その内容は常に改正され続けており、国ごとに異なるだけでなく、査察時期によっても、また査察官によっても評価が大きく変化してしまうところに企業側として対応しにくい問題がある。 さらに、医薬品の中でも国内GMPのみでよいものと、米国FDAのcGMP(currentGMP)対応が必要なものがあるなど要求される管理レベルに差があり、管理の一本化を困難にしている。 国別では、米国FDAのcGMPが要求事項・査察内容共に最も厳しく、他国はこれに引きずられる形でGMPを厳しくしていかざるを得ない状況がある。 それはFDA査察が米国の国益保護政策の一環として実行されている側面を有しているともいわれている。 EC諸国はGMPに関しても共通化を進めてはいるが、国ごとにまだ微妙に温度差が異なる部分があり、日本も都道府県によってGMP規制が異なっているのではないかといった認識を持っているようだ。 国際的なGMPに関しては、日米欧3極共同でのICH(国際的ハーモナイゼーション)会議により、国際協調を図る動きが進められて来ており、原薬GMPガイドライン等各種ガイドラインが作成されてきてはいるが、現状では査察の相互承認により国内査察に適合すればFDA査察を免れるといったことはまだまだ期待できない。 ISOに関してもFDAはISO品質システムによる管理を全く評価していないように思われる。 この他にも国際的にはWHOのGMPがある。 その内容は、先進国のGMP基準の内容を統合し、発展途上国がGMPを導入していくための教科書となるように作られており、記述内容は詳細であるが、これだけでは行政・ユーザーからの査察に耐えられるものではない。 国内では、GMPの適用範囲拡大が進められており、治験薬、医療用具(医療機器)、医薬品添加剤に対するGMP要求が厳しくなってきている。 国内査察については、GMPが許認可の要件となった平成6年以降、それ以前とは格段に厳しくなったことが実感された。 今後は平成17年4月施行の薬事法大改正が予定されており、各企業はそのための対策に追われている現状である。 零細な業者にとっては、GMP整備に金をかけてもそれで収益が増えるわけでなく、投資した分だけ赤字になるだけではあるが、GMPは法的強制力を持った規制であり、行政指導には従わざるを得ない。 その結果、GMPに対応できない中小のメーカーは廃業を余儀なくされ、GMPを踏み絵に業者の淘汰が進められて来た。特に製品の一部を医薬品として販売していたメーカーの医薬部門からの撤退が目立つ。 昨今では、設備・管理に関してはどの企業もほぼ対応済みであるという認識が行政側にもあるようで、GMP査察から、バリデーション査察が主体となってきている。 国内GMPの要求は各都道府県によって指導レベルに差があり、また対象企業の経済能力によってもある程度差をつけられているのも事実である。 一般的に、中小の業者に対しては、行政も保護・育成に重点を置いた指導をしているようであるが、ある程度の企業や新規参入組には厳しい、とはよく言われることである。 また、GMPにはここまでやれば合格というゴールはなく、往々にして一定のレベルをクリアした場合にはさらに高いハードルを課せられることになるため、努力すればするほど自分の首を絞める結果となりかなないジレンマもある。 こうした社会情勢は、原薬メーカーにとって不利であるように見える。 医薬品も薬価の相次ぐ見直しと開発・管理コストの増大により以前のようには儲かる業種でなくなって来ている。 我々も医薬をあきらめるべきなのだろうか。いや、むしろこうした状況だからこそ大いにビジネスチャンスがあると考えるべきであろう。 多くの製薬企業が、コストを低減するためにアウトソーシング化を進めている。 原薬の調達に限らず、製造工程のかなりの部分まで外部委託・外部調達することによってコストとリスクの低減を図れるからである。 従って、原薬メーカーとしては、合理的なGMP設備と管理システムを構築し、積極的にGMP管理の優秀性をアピールすることが、高い評価と信頼を得て、勝ち残りにつながると認識すべきである。 【原薬メーカーとしての課題】 薬事法改正によって、製薬企業からの要求は今後ますます厳しくなりこそすれ、緩まることは考えられず、行政によるGMP規制以上のものを要求されてくることになるであろう。 その一方、管理費のコストへの転嫁は難しく、いかに合理的なGMP管理を達成できるかが競争力の差となって現れる。 しかし、ここで重要なのは、最低限クリアしなければならないGMPのハードルは、人の生命をあずかる医薬品メーカーとしてのモラルに基づく考え方でなくてはならず、経済性最優先の発想では通用しないということである。 以下に具体的な例を挙げて、我々が今日抱える問題点とその対応策を考えてみたい。 1) 医薬品製造設備 医薬品製造設備は、汚染防止の観点から可能な限りクローズドシステム化が求められている。 また、製品ごとに専用設備であることが期待されてきている。 倉庫もGMPの管理下である必要がある。 化学プラントにおいては、消防法の規制があるため、原料や製品倉庫を別棟にする場合が多いが、GMPではこれは好ましくないとされる。 別棟では原料や製品の移動時に汚染のおそれがあるからである。 また、化学プラントでは製品の充填端数を次ロットに混合することが常識的に実施されているが、医薬プラントではロット混合になるとして嫌われるところである。 化学プラントは主に消防法と労安法の規制さえクリアできればそれで良かったが、医薬プラントではその上に薬事法GMPの観点から設備を評価される。 異物の混入防止のため、製造設備の虫の管理も重要である。 従来は網戸の取り付け程度で認められていたが、もっと積極的な防虫設備・器具の設置が求められるようになった。 飛来侵入種よりも、コナチャタテなどの屋内生息種による回収事例の方が圧倒的に多いのである。 防虫には専門業者による定期的な昆虫相調査の記録と防除が不可欠となってきた。 アスベストについても、発癌性があるとして今日では設備内での使用は認められなくなってきている。 設備の規制は薬局等構造設備規則の各条に定められてはいるが、具体的でない。 医薬品の製造設備としてGMP上適確かどうかは、多分に査察官の主観で評価されることになる。 このため医薬プラント建設においては、GMPに関して豊富なノウハウのある専門の施工業者に設計依頼することが、あとあとの問題を発生させないためには重要である。 しかし、これは往々にして高い建設費を要求されることになる。 最近は、エンジニアリング会社が海外のGMPコンサルタント会社と業務提携を結ぶなどによって、実力を付けてきており、プロセスバリデーション(薬液試運転)以前の段階のバリデーションはエンジニアリング会社に委託できるようになってきた。 流通の問題で、製品保管・出荷業務を倉庫会社に委託する場合もありうるが、GMP管理責任上好ましいことではない。 倉庫会社に業務を委託する場合でも、工場から出る前に試験検査は完了し、出荷許可判定がなされていなければならない。 倉庫業者との業務契約の内容を明確にし、倉庫管理状況の査察など定期的に実施していく必要がある。 2) マルチプラント 設備費を低減するためにはプラントのマルチ化が有効であるが、GMPでは医薬品と非医薬品の併産は現実的には認められないと考えるべきである。 FDAのガイドラインによれば、交互生産で使用する化学物質の毒性が明らかで、洗浄後の残存量が安全性の許容範囲内であれば理論的には認められることになっているが、実際のところは医薬品同士の場合に限られ、農薬その他生理活性物質との併産は全く認められない状況にある。 なぜなら、もともとFDA査察官に認める意思はないし、共用する装置に対して完璧と思える洗浄を実施し、その後、装置内のあらゆる個所について拭き取り試験を行い、抽出される微量成分すべての構造と毒性を明らかにすることなど、そのために要するコストと時間を考えれば不可能といえるからである。 医薬品同士であっても,抗生物質(特にペニシリン系)と他の医薬品の交互生産は認められない。 さらに最近ではプラントの過去の使用履歴まで評価されるようになってきたため、マルチプラントを建設する場合には始めから医薬専用のマルチプラントとして考えるべきであり、他のものは決して入れないという方針を明らかにしておく必要がある。 さもなくば、原薬にも農薬その他の化学製品にもならない製造の初期段階のみをマルチ化し、薬効を発現する工程(重要工程)以降はそれぞれ専用設備化するという発想が必要であり、原料から最終製品までを同一建屋内で一環製造するよりも、設備を2棟・3棟に分けた方がGMP管理上有利になる場合もありうる。 医薬専用のマルチプラントであっても、最終の製品充填・包装工程は別にする方が、現実的な管理において有利である。 またせっかく設備を分離しても、回収溶媒、空調設備等を共有してしまっては交差汚染の原因となるため、棟ごと、工程ごとに溶媒の回収設備と貯槽を用意すべきである。 マルチプラントを運用する上で最も重要なことは洗浄バリデーションであり、マルチプラントの可否は洗浄バリデーションの結果により評価される。 洗浄バリデーションに関しては後でさらに詳しく説明したい。 3) 要員の適正配置 GMPでは、製造に関する膨大な記録類を作成し保管することや、原料・製品、設備の状況に応じた表示が要求されているので、作業工数が増大する。 バリデーションも開発段階だけでなく、通常の生産時にも恒常的に実施していかねばならないため、現場主任が記録に忙殺されて現場を見る暇がないといった笑えない事態が発生している。 品質管理面では、製品だけでなく、原料受入、工程など製造の各段階でのチェックが必要とされる。 しかもそれは製造部門から独立した品質管理部門の作業員によってなされなければならないとされている。 通常、製造作業員が実施しているような確認作業および検体採取作業も、品質管理部門で実施すべきとされるため、検査の要員を増やさねば対応できなくなる。 生産が昼夜行われる場合には、検査要員も昼夜シフトを組まねばならないことになる。 医薬品の生産が通年で実施されている場合には、製造・品質管理とも必要要員は認められるだろうが、期間生産の場合には生産していない時期も含めて常に要員を確保しておくことは困難である。 少ない要員でやりくりしていくためには、要員の兼務、作業の外注化、分析項目の削減等を考えることになるが、いずれも好ましいことではない。 製造部門と品質部門の兼任は、検体採取等の一部しか認められていないし、それには厳しい条件が課せられている。 製造部門では、原材料・製品のPOSシステム管理の導入、およびオンライン端末の有効活用が、作業員の記録や表示の工数削減とロット管理の適正化につながるものと思われる。 品質部門での試験検査に関しては、製品のロット毎の全規格項目の検査は省略できない。 原料については分析項目の合理的削減は認められているものの、それはあくまでも検査実績に基づく統計学的評価の結果としてなされなければならず、少なくとも外観と確認試験による判定は省略できない。 従って、新たに医薬品の製造を企画する場合には、原料規格・工程検査等を最低限必要な項目のみに限定して分析項目を少なくするとともに、今後どの項目を省略していけるかのプランを明確にしておくことが必要になるだろう。 原料メーカーの選定・評価に関しても、社内で一定の基準を設けることが要求されるようになってきた。 多くの原薬メーカーで、製造部門・品質部門ともかなり不足がちな要員で対応している現状があり、解決していかねばならない課題の一つと考えられる。 GMPは基本的に日勤作業だけを想定しているようであり、シフト生産に適用すると、作業員だけでなく、責任者の勤務時間も問題になる。 夜間・休日等、責任者不在の場合の代行基準を明確に定めておかないと、責任者は生産期間中ずっと会社に居つづけなければならないことになりかねない。 4) 薬事管理 GMP管理は、管理システムを構築し、管理者・責任者がそれぞれの責務を十分に果たすことが必要である。 日本では薬事法により、薬剤師の資格を有する者が製造管理者(GMP管理者)となって、出荷する医薬品の全責任を負うことが義務づけられている。 一方、欧米では製造部門と品質部門の独立が必須とされ、それぞれの部門の責任者がいれば、製造管理者の存在は不要であり、薬剤師である必要もない。 原薬メーカーによっては、日常の薬事管理業務の大半は各事業所の裁量に委ねられ、GMPについても事業所ごとに個別に対応し、全社的なGMPに関する基本方針といったものは統一されていない場合がある。 薬事法上必要なため、薬剤師を雇用し製造管理者として機能させているが、他の業務と兼任させていたり、パート扱いの場合も少なくない。 薬学卒の新入社員にいきなり製造管理者をまかせるといった乱暴なことまで行われている。 製造管理者になっても職制上の管理職とは一致しないため、意見を出せないとか、社内に問題があっても会議の場に加われず、決定した事項について捺印だけを求められたりする。 製造管理者の側にも本当のところどこまで必要なのかがよく分からないため、あまり強く言えないなどの問題がある。 また、製造管理者が管理職の場合には、会社の内情が分かり過ぎるために、かえって問題点があっても大目に見てしまいがちである。 これらの問題を解決するためには、名目だけでなく実質的なGMP管理者としての職制上の認知が必要であり、GMP管理の職務の重要性に関するトップの理解が必要である。 GMP管理者には、その責務に見合った権限と恩恵が与えられるべきであり、それに応えるために日々研鑚し、常に最新の情報を収集・発信していく必要がある。 将来はGMP管理者もスペシャリストとして社会的に認知され、各企業を渡り歩けるようになることが企業にとっても望ましいことではあるが、おそらくそのような時代は来ないであろう。 製造に関して何か問題が発生した場合に、薬事の専門家として問い合わせされても即答できないことが多く、明確に返答できることはあまりない。 調べたくても手元に十分な資料がないし、調べてくれる部下もいない。 インターネットで検索しても各企業のノウハウに属することなので、まず見つからない。 行政当局に問い合わせても杓子定規な返答しか得られず、むしろ社内の問題を内部告発することになりかねないため危険である。 結局、GMP管理者は相談できる相手もなく頭をかかえこむことになりがちである。 自分だけでは判断できない問題も多いし、個人に全責任を負わすべきではない。 製薬企業では社内にGMP委員会やバリデーション委員会を組織している場合が多い。 原薬メーカーでも品質保証部門を組織してGMP管理者をサポートすると共に、委員会などによって、GMP管理者の責任負担を軽減することが必要であろう。 GMPは進歩し続けるものであり、情報収集力の差がGMP対応の良否を決定付けかねないが、原薬メーカーのGMP管理者では講演会への出張、書籍の購入などもままならない場合が多い。 薬事情報の収集を業務として行う部署を明確にし、GMP管理者に薬事情報を提供し、また各部署から上がってきた問題について調査し、結果を報告するシステムの構築が望まれるところである。 同一(系列)企業の事業所ごとに製造管理者がいる場合には、管理者間の横の連携を強め、査察の情報交換など、常に情報の共有化を図っていくことが問題解決の有効な手段になっていくと考えられる。 薬事管理に関しては、工場ではどうしても生産・コスト削減が優先されがちであるため、全社的な運用方針を定め、対応を指示していくことも必要であろう。 5) 出荷可否判定 現行の薬事法では、医薬品のロット毎の製造記録と試験記録の精査と出荷可否判定は製造管理者の責務であるとされており、まさにこの業務のために製造管理者という肩書きが必要とされていると言ってもいい。 しかし、現実にはこれらの記録を一つづつ確認していくのは労力のいる作業であり、工場にいくつもの生産ラインを持つ場合でも製造管理者は一人であるため、到底まともに見きれるものではない。 毎日の業務をそれだけで忙殺されて、他の作業が全くできないほどのものである。 慣れてくるとある程度チェックポイントが分かってくるので、そのポイントだけを確認して合格を出すようになるが、休み明けで書類が溜まっているときや、出荷を急かされているときなど往々にしてメクラ判を押すことになる。 原薬メーカーによっては、出荷担当者に印鑑を預けておいて、自由に使わせているといった話も聞くが、その場合でも出荷責任は製造管理者が負うことになるため、少なくとも製造部門と品質部門からの合格報告を確認して、捺印だけは自分で押すようにすべきである。 平成17年4月以降は、出荷可否判定は品質部門の指定された者が行うことができるようになるので、そうなれば製造管理者は記録の精査と出荷判定の業務から解放され、よりGMP管理者としての業務に専念できるはずであるが、そうでなくても人手の少ない原薬メーカーでは現行のままと成りかねない。 6) 品質システム 近年、多くの原薬メーカーが、ISO9001、14001の認証を取得している。 社内的にISOとGMPを一本化できればそれに越したことはないのであるが、基本的な思想で異なる部分があるため、なかなか容易ではない。 その企業の多数ある製品の中の一部だけが医薬品である場合には、GMPを共通ルールにしてしまうと、他の一般製品まで過剰な管理が求められ、製品競争力の低下を引き起こしかねない。 そのため、原薬メーカーではISOを取得しても、医薬品については別にGMP管理している場合が少なくない。 この場合には、ISOとGMPの間の独立部分と共有部分について十分に配慮する必要がある。 個々の作業について、その作業はISOによって規定されるのか、GMPによって規定されるのか、どちらが優先されるのかが、作業員に常に分かるようにしておかねばならない。 医薬品に関する作業については、GMPの基準の中だけですべて網羅されているように作成しておいた方が、作業員にとっては使いやすい。 査察を受ける場合、企業からの査察に対してはISOの取得が自社の品質システムを説明する上で都合がいいこともあるが、行政からの査察ではあくまでGMPに基づいて評価されるため、ISOを取得していてもあまりメリットはない。 むしろ二重管理を疑われる結果と成りかねない。 7) 文書管理 薬事法に基づき作成が必要とされる基準書には、「製品標準書」、「製造管理基準書」、「品質管理基準書」、「製造衛生管理基準書」の4種類があり、それぞれ記載すべき項目まで規定されている。 また、バリデーション・自己点検・教育訓練・苦情処理・回収処理の手順も明確に定めておかねばならない。 個々の作業については、標準業務手順(SOP)として制定することになる。 生産にはロット毎の「製造指図書」の発行と「製造記録」の作成が必要であり、記載すべき内容まで細かく規定されている。今では、製造指図書と製造記録が一体になったマスターバッチレコード方式での記述が要求されてきており、マスターバッチレコードは「製品標準書」の一部とするのが一般的である。 また、バリデーションにあたっては「バリデーション実施計画書」と「バリデーション実施報告書」の作成が必要である。 この他にも自己点検、教育訓練、苦情回収処理の記録も必要である。 このように、GMPで必要とされる文書は数多く、しかもGMPを理解した者でないと作成できない文書が多いため、文書類の作成と改正、添削などがGMP管理者の業務の中で大きな負担となっている。 手順書を作成していくうえでまず重要なのは、GMPに関しての企業理念を明確にすることである。 GMP要求事項を自社に翻訳し、ISOでいう品質マニュアルに相当する文書をまず作成することが、SOPを作成していく上で重要なのだが、多くの日本企業はこのポリシーを明確にすることが苦手である。 GMP査察時には、まずこれらの文書類の整備状況が確認される。 査察においては、文書化されていないものは存在しないものとして評価されてしまうため、必要なことは細大漏らさず記載しておく必要がある。 一つの手順書に詳細な内容を盛りこみ、その手順書だけですべての内容が完結しているように作成した場合、作業者はその手順書だけを見ればいいが、ページ数が多くなって、必要な部分を見つけるのに時間がかかる。 一方、手順書の内容を小分けにした場合、文書のタイトル数が増え、作業に必要な内容を見るのにいくつもの文書を開ける必要があり、その兼ね合いが難しい。 いずれにしても記載内容の重複を極力避けるようにすることが、文書間の内容の矛盾の発生を防止するのに有利である。 製造指図書・製造記録等は、ロット毎に作成し、製造・品質の各責任者が確認することが必要である。 記録はボールペンで書くこと。年月日には西暦を使うこと。修正は一本線で消し、修正前の字が読めるようにしておくことなど、教育で徹底しておく必要がある。 署名と捺印はどちらもFDA査察でも認められるようになっているが、捺印の場合は印鑑の管理が重要となるので、署名に統一した方がいい。 手順書、記録を問わず、文書管理にはパソコン・ネットワークを大いに利用したいところであるが、電子化には、FDAの21CFR part 11 の規定を満たすことが必要である。 8) 査察 今後は、行政当局や製薬企業からの査察だけでなく、国内外の消費者団体などからの査察要求にも応えていく必要が出てくるものと思われる。 査察への対応にも入念な事前の準備が不可欠となってきた。 パワーポイントなどで説明用の資料を作っておくと、社員教育用にも使えて便利である。 現場を図面で説明する場合には、人とモノの流れを動線図によって説明できるようにしておくべきである。 製造設備についても、査察などで部外者に見せることをあらかじめ想定して、見学ルート・のぞき窓、見学者用保護衣等を準備しておく必要がある。 行政・ユーザーを問わず査察時の対応方法で共通するのは、自社のGMP管理について自信を持って答弁し、余計なことは言わないことに尽きる。 GMP管理についてあまり理解のない上司が同席し、不用意な発言をしためにGMP管理者が窮地に陥るということもままあるものである。 行政当局の査察に対しては特に注意が必要である。 当局は法的強制力を持っており、単に製品が出荷できなくなるだけではなく、場合によっては管理者が処罰の対象となることを十分に肝に銘じておく必要がある。 そのため弱みをみせない工夫と、査察者を説得できる資料を準備しておくことが必要になるが、それ以前に問題点を問題点のまま放置せず、早急に解決しておくことが大切なのはいうまでもない。 査察においては、GMP管理に対して取り組む姿勢を何より評価されるため、「このメーカーは熱心にやっている。」と認められれば、それほど厳しい指摘・ペナルティを受けずに済むようである。 昨今のGMP査察は、査察内容も膨大になってきているため、査察官が分かれて同時に複数の部署を査察することもある。このような場合に、GMP管理を製造管理者一人に負わせている原薬メーカーでは、製造管理者がいる部署の査察は合格しても、別の部署の返答と矛盾が生じたり、別の部署では返答が適確でなかったために不適合とされることが少なくない。 さらにFDAの査察に対しては特別な対応が必要である。 直接対応は大きな危険をはらんでいる。 彼等は欠点を見つけることが仕事なのだ。 FDA査察に対しては、よほど経験がある場合を除いて、現状ではコンサルタント会社との連携が不可欠であり、特に査察で指摘された欠陥事項への対応は、コンサルタント会社を通さないと取り合ってもらえないこともある。 元FDA査察官の多くがコンサルタント会社に再就職したり、コンサルタント会社を起業しており、ISOと同様に審査がビジネスとなる時代である。 コンサルタント会社も数多くあり、それぞれ得意とする分野も異なっているため、コンサルタント会社の選択も重要である。 選択を誤ると無駄にお金を巻き上げられるだけになってしまう。 また、コンサルタント会社は常に安全サイドで指導する傾向にあるため、盲目的にコンサルタント会社を信頼していると、コストの増大のため開発そのものが中止になりかねない。 日本の行政当局はコンサルタント会社の介在を好まないため、当面、国内GMPの査察においてはコンサルタント会社は不要と考えられる。 一方、査察はGMP管理者にとってデメリットばかりではない。 社内でいくらGMP管理者が問題点を指摘しても、コストアップを理由に対応してもらえないことが多い。 しかし、ひとたび行政当局や大口ユーザーから査察で指摘されたとなると、多少コストがかかってもすぐに改善せざるを得なくなるからだ。 管理者としては、査察をうまく利用して、欲しい指摘をもらい、社内のGMP管理の改善につなげていくことも有効なテクニックの一つである。 各企業や行政からの査察を繰返し受けていると、査察者やユーザーの能力・要求レベルが見えるようになってくる。 一方的に査察を受けるだけがGMP管理者の仕事ではない。 GMPのレベルが高いと感じられた企業には、逆に見学を依頼してみるのも手である。 製薬企業にとっても原薬メーカーのレベルアップは好ましいことなので、応じてくれる場合も多い。 原薬メーカーにとっては、製薬企業のGMP管理の良いところを吸収できるし、製薬企業が実施している以上の過剰管理はしないで済むことになり、メリットは大きい。 9) バリデーション バリデーションの定義は分かりにくいものだが、「製造設備や製造方法が医薬品を製造するのにふさわしいことを証明することである。」と考えればよいであろう。 バリデーションは医薬品の製造・承認許可を得るための要件になっており、行政当局が企業の薬事管理状態を評価するための最も重要な項目の一つになっている。 国内医薬品については、厚生労働省「バリデーション基準」が示されているので、この基準に基づいてバリデーションを実施することになるが、一般的にこれだけでは不足である。 開発段階の予測的バリデーションは必要なバリデーションの項目も膨大なものになるので、バリデーションの全体を見渡すことのできる「バリデーションマスタープラン」の作成が必須になってきている。 新規医薬品の場合、予測的バリデーションが達成されていないと医薬品としての承認が得られないため、全社的な協力が得やすく、チームの編成も容易である。 施工業者に委託できる項目もあるため、バリデーションすべき項目は膨大でも、手順通り慎重に進めていけばいつかは達成できるものである。 それに対して、日常的な工程管理である同時的バリデーションや、回顧的バリデーション、さらに一定期間経過後の再バリデーションとなると状況が異なってくる。 現場移管を完了した後では、開発部門はすでに次の新製品に着手しているため協力できる余裕がない。 現場は生産のための必要要員しかいない。 バリデーション結果を統計学的に評価できる能力のある者を確保できない。といった問題が発生し、そのしわ寄せはGMP管理者に集中することになる。 そのため、バリデーション報告書の完成が遅れ、承認が完了しないうちに次のバリデーションが始まってしまうという事態が起こりかねない。 それではバリデーション結果を次のバリデーションに反映できないことになる。 また、洗浄バリデーションについても、生産日程が決まっているため、洗浄に一部疑問があっても無理やり洗浄完了としてしまうことがないようにしなければならない。 原薬メーカーでは、バリデーションの重要性とバリデーションための要員・期間ということが理解されにくいものであるが、バリデーションは必須であるということを経営者に十分に認識させる必要がある。 10)洗浄バリデーション 交叉汚染の防止など、「バリデーション基準」には示されていないが洗浄バリデーションも重要である。 あらかじめ洗浄方法を明確に基準化し、洗浄完了とする残存量のレベルを、毒性データ等に基づき自社の責任において設定する必要がある。 ここでその会社の医薬品の品質に関わる企業ポリシーが問われることになる。 洗浄確認のためのサンプリングは、装置内からの拭き取りによる直接サンプリングが求められる。 洗った食器を評価するのに洗った液を調べる人はいない。 食器を指で擦ってみるのが一番だという理屈である。 ただ、原薬製造においては一般に洗浄確認の対象物質が液体の場合はリンス液、粉体の場合は装置内からの拭き取り試験によることが合理的である。 対象物を定性・定量的に評価でき、検出限度はppmオーダーを下回ることが必要になってきている。 洗浄は一回の測定では評価にならず、繰返し洗浄での汚染物質の減衰を評価するように求められる。 また、使用後、洗浄開始までの期間についても考慮して洗浄バリデーションを計画する必要がある。 食後すぐに洗えば簡単に取れる汚れも、放置して食器にこびりついてしまってからでは容易でなくなるし、汚れが落ちないからといってキレイになった訳ではないと見なされる。 使用原料に塩素化合物が含まれる場合には、ダイオキシンの有無についても考慮しなければならないだろう。 11) 社内教育 薬事法GMP規制により、定期的な作業員教育が義務化されている。 医薬品製造の特殊性を作業員に教育することが重要なのはいうまでもないが、化学プラントの作業員に医薬品だけを特別扱いにしろと説明しても、頭では理解させたつもりでもなかなか行動に結びついていかないものだ。 更衣、クリーンルームの入退出、手洗い、清掃等、きちんとマニュアル通りに実施しているか、よくよく確認する必要がある。 リーダー格の作業員、作業員の直接の上司の理解が十分でないことが原因の場合も多い。 上司は何よりも生産を最優先することが求められているし、自身に経験のないことは部下に指示しにくいものである。 生産の工程の一部を外部業者や人材派遣業に委託する場合もあるが、委託する業務範囲を明確にし、委託作業の標準化と委託作業員教育が重要となる。 派遣作業員では、異物混入のおそれに気づいたとしても、自己の責任を問われることを怖れて報告しない場合が考えられる。 異物混入事故は出荷してからでは取り返しがつかないので、作業員から異物混入の可能性について報告があった場合、その責任を追及するよりも報告したことを表彰するぐらいの態度で望む必要がある。 教育の実効性を高めるためには、SOPを整備し、手順書として定めたことは必ず守らせることから始め、根気強く教育していくことが必要である。 そのためには、GMP管理者が頻繁に現場に足を運び、問題点があればすぐに指摘して改善を求めることや、教育ビデオなども活用して作業員に飽きさせずに教育を継続していくこと必要である。 説明は懇切丁寧に、専門用語をできるだけ排除しないと理解が得られず教育効果が出ない。 例えば、サンプリングと検体採取を、教育者は全く同じ意味で使っているのに、受講者にはそれが理解できず、結果として再教育が必要となったこともある。 教育記録については、教育を行った結果としての作業員の理解度についても評価し、記録するように求められている。 今のところは受講者の自己申告で理解度に○を付ける程度でも認められているようだが、今後はテストするなどの数量的な評価が必要とされてくると思われる。 GMP教育で重要なのは、作業員教育だけでなく責任者の教育である。 人事異動でこれまでGMPに全く経験のない部課長が赴任することも多く、いかに引き継ぎと教育を行うかGMP管理者として頭の痛いところであるが、いい機会でもある。 GMPは「おまかせ」にされないようしっかりと教育して、責任を果たしてもらえるように社内システムを切り換えるチャンスなのだ。 12) 自己点検 薬事法GMP規制により、自己点検を定期的に実施することが義務づけられている。 点検項目については、厚生労働省より「医薬品GMP適合性評価基準」が示されており、とりあえずここに示された点検項目について点検しておけばいいはずであるが、これだけでは十分とは言えない。 「GMP自己点検ノート」等に示された中から該当する事項を組み入れて、独自のチェックリストを作成しておくことが望ましい。 点検者は社内のGMP管理に直接関わらない第三者がふさわしいとされている。 しかし、企業の現場においては、担当者以外にはGMPに詳しい人がいないとか、点検者が内容を良く理解せずに点検しているといった問題がある。 また、自己点検で不適合な個所があったということになると、そこで製造された医薬品は問題があったということになりかねないため、自己点検は形式だけになり、全項目に丸を付けて出来上がりということになってしまいがちである。 しかし、これでは自己点検を実施する意味がないし、内部チェック機構が働かず、不正に目をつぶることにもなる。 自己点検はGMP管理の改善のための大きなきっかけになるので、自己点検を意義あるものにしていくことが、管理の適正化を進めるうえでの大きな武器になることを認識すべきである。 自己点検においては、手順書・記録の内容を詳細に照合し、時間的な面も含めて整合性を確認することが重要である。 そのためには、自己点検に必要な人員と期間を十分に確保する必要がある。 事業所内で点検者を確保できない場合には、本社あるいは他事業所から点検してもらうのも一つの方法だが、点検できる時間の制約を受けるため、十分な時間が取れないといった問題が発生する。 自己点検チームは担当部門によって班を分け、品質部門の担当者が製造部門を点検し、製造部門の担当者が品質部門を点検するようにすれば、直接担当していないGMPに詳しい者が点検できる。 外部からの査察を日常的に受けているような原薬メーカーでは、外部からの指摘ばかりが重視され、社内の自己点検は軽視されがちであるが、点検者となることでGMPの理解を深めるといった教育的側面もあるので、簡略化せずに実施していくべきである。 13) 苦情・回収処理 国内GMPでは、苦情・回収処理は製造管理者の責任のもとに実施しなければならない。 回収にはレベルがあるが、回収を行った場合には、行政当局に報告することが義務づけられており、行政当局は回収報告を受けた場合には例外なくマスコミに公表することになっている。 製薬メーカーの回収も頻発しており、回収も別にめずらしいことではなくなっているが、原薬メーカーにとっては化学品と違い医薬品の回収が発生すると大問題である。 単に出荷した製品が戻ってくるだけではない。 原薬と製薬では単価がまるで違うのにその損害保証や、製造物責任、医療保証の問題も発生し、企業の命運を左右するといっても過言でない。 当然、回収した製品は再生できない。 万が一工程で何かトラブルが発生した場合には、そのロットを惜しんでリスクを背負うより、潔く廃棄してよいことを会社はあらかじめ関係者に保証しておくべきであり、GMP管理者には自己の判断で出荷を拒否できるだけの権限が与えられていなければならない。 14) 逸脱の管理 医薬品の品質を管理する上では、製品の品質が規格内であること。 製造における工程の各パラメーターが基準に定めた許容範囲内であることが必要であるが、今日のGMPではそれだけでは不十分とされ、逸脱の管理が必要となっている。 同時的バリデーションにより統計学的に工程・品質を管理し、Xbar−R管理図や、工程能力指数によって工程の管理状態を評価し、管理状態からの逸脱はそれだけで何らかの異常が発生したものと判断してアクションを取る必要があるとされ、そのための手順が要求される。 また、試験検査で不合格(Out of Spec)が発生した場合、それが検体自体の品質によるものなのか、試験方法に問題があるのかを判断するための手順として、OoS発生時の処理手順が必要である。製品規格としては合格であっても、従来の分析値から大きくかけはなれた値であった場合には、試験は合格であっても出荷拒否の判定を下すこともあり得る。 15) 変更の管理 米国FDAのドラッグマスターファイル登録では、毎年アニュアルレポートの提出が求められているように、国内GMPでも変更の管理が重要視されるようになった。 ともすると、GMP管理者の知らない間に、製造現場では収率向上のためのマイナーチェンジが行われていたり、分析工数削減のための試験の省略が行われていたりする。 また、作業員からのアイデア提案制度等によって、GMPに違反するような変更がなされる場合もあるため、変更の手順を明確にし、不用意な変更がなされないように常に監視しておく必要がある。 また、原料の供給メーカーが変更になったり、原料の製法が変更されたりすることも少なくないので、事前に情報が入手できるように契約などで取り決めておく必要がある。 生産スケールの10倍以上のバッチサイズの変更は重大な変更とみなされ、安定性試験の取り直しなどが必要となる。 16) 治験薬GMP 医薬品の開発においては、臨床試験が不可欠であり、臨床試験のための治験薬を供給するのにもGMPが必要になっている。 本生産においても臨床試験で使用したのと生物学的に同等な品質の医薬品であることが要求されるため、ほとんどの場合、前臨床のためにラボで製造したのと同じ合成ルートで製造せざるを得ない。 製法を変えると不純物プロファイルの同等性が確保できなくなるからである。 分析で大きなピークに隠れた小さな不純物ピークを無視したために大きな薬害事件となった例もある。 開発した医薬品の投与量・販売見込みにもよるが、前臨床/臨床試験(phaseT〜U)用のラボ製造の1バッチの通常のスケールは3〜5kg(L)。 臨床試験(phaseU〜V)/パイロット生産1バッチは、30〜50kg(L)。 本格生産では、1バッチ300〜500kg(L)程度の場合が多い。 このように、最初のラボ製造(1×)、パイロット生産(10×)、本格生産(100×)と生産規模を10倍づつ上げていくのが一般的である。 治験段階だからといって安易なGMP体制は許されない。 むしろ将来のGMP本格生産を見据えて、できるだけ厳格なGMPで実施した方がいい。 後で管理を緩めるのは用意だが、段階的に厳しくしていこうと思っても作業員の反発などがあり、管理を強化するのは難しい場合が多いからである。 17) 薬事法改正 薬事法に関しては大きな改正がなされ、平成17年4月施行を目指して、政省令の整備が行われている段階である。 製薬企業は製造販売業、原薬メーカーは製造業と区別され、GMPも原薬メーカーにこそ必要なものと定義される。 そしてそのGMPは製薬企業のGQP監督下に置かれることになるため、製薬企業の発言力がますます増加することになる。 その分、行政からの監視が少なくなるかと言えばもちろんそうはならず、マスターファイル登録とそれに伴うGMP査察によって監督されることになるであろう。 GMP管理者にとっては、マスターファイル登録作業が業務として追加されることになる。 まだ具体的には確定していない部分も少なくなく、今後も動向を見守りながら準備・対応を進めていくことが必要である。 まとめ 以上、原薬メーカーのGMP管理者として抱える問題点について浅学を省みず列記してきたが、原薬メーカーそれぞれが異なる問題を抱えていることであろう。 問題解決のためには全社的な改革を必要とするものもあり、一朝一夕には改善できないことも事実であるが、問題の表面だけの体裁を繕ってよしとすることなく、製薬企業の下請け的な認識を捨て、常に医薬品供給者として人の生命と健康に寄与しているのだというモラルの上に立って改善の努力を続けていくことが肝要であろう。 そうした努力こそが、我々が今後も原薬メーカーとして事業を継続し、医薬産業を支えていくことにつながるものと信じている。 文責 ヨネヤマ(momorin_369@hotmail.com) |