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GMPの現状と問題点(2004年改訂版)はこちら
原薬メーカーにとってのGMP管理の現状と問題点(1)[2003年版]
僕のサイトをご覧頂いているヨネヤマさんから、原薬メーカーにおけるGMPの問題を投稿して頂きました。
以下は、原文のままです。(読みやすくするために改行、文字の色づけ、スペースを追加しました)
現場の意見がわかる貴重な情報をありがとうございました。
この場を借りて、厚く御礼申し上げます。
| 原薬メーカーの新人医薬品製造管理者へのアドバイス 長引く不況の中で、多くの化学系企業が活路を求めて新規に医薬事業に参入した り、原薬や医薬中間体の受託製造などを模索してきている。 医薬品製造には薬事法・ GMPという規制があり、新規参入は決して容易ではないのであるが、そのことを理 解している経営者は少ない。 中小の原薬メーカーにおいては、薬事法上の必要性から新卒の薬剤師を雇用し、そ の者にいきなり医薬品製造管理者をまかせるといった乱暴なことがままあるのも事実 である。 これまで私が医薬品製造管理者として少なからず薬事管理に携わってきた経験とそ の間に蓄積した知識を踏まえて、原薬メーカーにとってのGMP管理の現状と問題点 を明らかにし、今後の改善につなげていくために、少しでもアドバイスになれば幸い である。 1.GMP管理をめぐる社会的情勢 医薬品製造に関しては、国際的にGMP(Good Manufacturing Practice)管理が 要求されているが、その要求内容は常に改正され続けており、前回の査察で可とされ たものでも、次の査察では不備であると指摘されることもよくあるものだ。 GMPの基準は国ごとに異なるだけでなく、査察時の返答の良否や、査察官の能力 によって評価が大きく変化してしまうところに企業側として対応しにくい問題があ る。 医薬品に関る大きな社会的事件があれば、そのときの査察は当然厳しいものにな る。 医薬品の中でもGMP管理が必要なものと、そうでないもの、自主的にGMP対応 すべきものなどがあり、GMP対応であっても国内GMPのみでよいものと、FDA のcGMP(currentGMP)対応が必要なものがあるなど、GMPを一義的に規定 するのを困難にしている。 国別では、米国FDAのcGMPが要求事項・査察内容共に最も厳しく、他国はこ れに引きずられる形でGMPを厳しくしていかざるを得ない状況がある。 それはFD A査察が米国の国益保護政策の一環として実行されている側面を有し、実際に日欧の 企業には厳しく、中国企業に対しては甘いともいわれている。 国際的なハーモナイゼーションの流れの中で、日米欧3極共同でのICH会議によ り、GMPの共通化を図る動きが進められて来ており、原薬GMPガイドライン等が 作成されてはいるが、現状ではICH基準に適合すればFDA査察を免れるといった ことは当面期待できない。 ISOに関してもICHはシステムの共通プラットフォー ム化を指向しているのに対し、FDAはISO品質システムによる管理を全く評価し ていないように思われる。 この他にも国際的にはWHOのGMPがある。 その内容は、先進国のGMP基準の 内容を平準化し、発展途上国がGMPを導入していくための教科書となるように作ら れており、記述内容は詳細である。 日本のGMPもハーモナイズさせていることか ら、国内GMP規則等で不明確な部分については参考になる。 国内的には、GMPの適用範囲拡大が進められており、医療用具(医療機器)、医 薬品添加剤に対するGMP要求が厳しくなってきている。 国内査察については、GMPが許認可の要件となった平成6年以降、これまでとは 格段に厳しくなったことが実感できたが、その後は、今日まで年々厳しくなり続けて いるわけではない。 長引く不況の中で、あまり過度の要求をしても医薬業界からの撤 退を余儀なくするだけという現状があるからであろう。 大半の業者にとっては、GM P整備に金をかけてもそれで収益が増えるわけでなく、投資した分だけ赤字になるだ けである。 それでもGMPは法的強制力を持った規制であり、行政指導には従わざるを得な い。 その結果、GMPに対応できない中小のメーカーは廃業を余儀なくされ、GMP を踏み絵に業者の淘汰が進められている状況といえる。 国内GMPの要求が一時期よりも緩和されてきたということは決してない。 ただ、 各都道府県によって指導レベルに差があり、また対象企業の経済能力によっても差を つけられているのも事実である。 一般的に、零細な業者に対しては、行政も保護・育 成に重点を置いた指導をしているようであるが、それと同じ県内の企業でも大手や新 規参入組には厳しい、とはよく言われることである。 こうした社会情勢は、原薬メーカーにとって不利であるように見える。 医薬品も薬 価の相次ぐ見直しと開発・管理コストの増大により以前のようには儲かる業種でなく なって来ている。 我々も医薬をあきらめるべきなのだろうか。いや、むしろこうした 状況だからこそ大いにビジネスチャンスがあると考えるべきであろう。 多くの製薬企 業が、アウトソーシング化を進めて来ている。原料・原薬の調達に限らず、製造工程 のかなりの部分まで外部委託・外部調達することによってコストとリスクの低減を図 れるからである。 平成14年の薬事法改正においても、医薬品の元売業と製造業を分 離することが方針として示されている。 従って、原薬メーカーとしては、FDA査察にも堪えうるGMP設備と合理的な管 理システムを構築して実績を示すこと。 製薬企業からの査察希望に対しても固有技術 を隠そうとするのでなく、むしろ積極的に管理状況を見せていく姿勢が望ましく、そ れが新たな受注を得ることにつながると思われる。 |
| 2.原薬メーカーとしての課題 1) 原薬製造設備〜5) 品質システム | 2.原薬メーカーとしての課題 6) 文書管理〜まとめ |